不動産所有者の住所、氏名が変更になった場合におこなう登記です。

住所が変更になったときにするのが「登記名義人住所変更」、氏名が変更になったときにするのが「登記名義人氏名変更」の登記です。これらの登記をまとめて登記名義人表示変更といい、名変(めいへん)と省略されることもあります。

なお、相続、売買、贈与などにより不動産所有者が変わった場合におこなうのは「所有権移転」の登記です。登記名義人表示(住所・氏名)の変更登記は、所有者はそのままで、引っ越しにより住所、結婚により氏名が変わった場合などにするものです。

1.登記名義人住所(氏名)変更の必要書類

登記名義人住所(氏名)変更の登記申請をする際には、登記申請書のほかに、登記原因証明情報としての変更証明情報が必要です。

1-1.住所移転の場合

住所移転(引っ越し)をしたことにより、登記名義人住所変更の登記をする際には、変更証明書(変更証明情報)として、住民票(または戸籍の附票)を添付します。ここで必要な住民票などは、登記事項証明書に記載されている住所から、現在の住所に至るまでの、すべての住所移転の経緯が記載されているものです。

住所移転をしたのが1度だけの場合、現在の住民票に引越前の住所(前住所)が記載されていればそれで足ります。しかし、住所を2回以上移転しているときには、さらに前住所地で住民票除票を取得したり、本籍地で戸籍の附票を受けるなどする必要があります。

登記事項証明書の住所から、何度も住所を移しており、引っ越しのときから長期間が経過している場合など、必要な住民票除票(戸籍の附票の除票)などの交付を受けられないこともあります。その場合でも、登記申請が不可能になることはありませんが、他にも書類を用意したり余計な手間がかかります(この場合の手続きは司法書士にご相談ください)。

1-2.住居表示実施・町名地番変更の場合

現在の住所で、住居表示実施や町名地番変更がおこなわれた場合、住所移転(引っ越し)をしたわけでは無いのに住所が変更になります。

たとえば、住居表示が実施されると、それまで「○○市○○町一丁目100番地」だった住所が、「○○市○○町一丁目1番1号」のように大きく変わります。また、町名地番変更では「松戸市五香六実100番地の1」だったのが「松戸市五香南三丁目1番地の1」のように町名も変更されます。

このように、住居表示実施や町名地番変更により住所が変わった場合でも、所有権登記名義人住所変更の登記が必要です。ただし、市区町村役場で発行される「住居表示実施証明書」、「町名地番変更証明書」などを添付することにより登録免許税が非課税となります。

1-3.氏名変更の場合

結婚で氏(名字)が変わった場合などに登記名義人氏名変更登記をします。この場合、変更証明書(変更証明情報)として、戸籍謄本(戸籍抄本)を添付します。また、登記簿上の所有者と、戸籍に記載されている人が同一人物であることを証するために、本籍地入りの住民票(または戸籍の附票)も必要です。

氏名変更を原因とする所有権の登記名義人の表示変更の登記の申請書に添付すべき変更を証する書面としては、その旨の記載がある戸籍の謄抄本のほか、住民票の写しの添付が必要である。(登研507号)

2.登記名義人住所・氏名変更登記の各種情報

登記名義人住所変更の登記の中間省略

登記名義人表示変更の同一申請書による一括申請