登記名義人表示変更の一括申請(目次)
1.登記されている住所が異なる場合
同一の登記所の管轄内にある、甲不動産、乙不動産を所有しているが、取得した時期が違うため異なる住所で登記されている。
この場合、甲不動産、乙不動産についての所有権登記名義人住所変更の登記を申請する際には、同一の申請書により一括しておこなうことが可能。
2.共有者の住所移転の場合
甲及び乙が不動産を共有しているが、その登記簿上の住所が異なる場合において、甲及び乙が同一の日付で同じ場所へと住所移転したときには、同一の申請書により一括しておこなうことができます。
なお、上記の質疑応答では、「同一申請書により申請できない」との質疑応答として登研455号91頁が挙げられていますが、下記のとおり「登記簿上の住所が同一である共有者A及びBが同時に同一の地に住所移転した場合」、一括申請が可能であるとしています。
ただし、下記の質疑応答においては、共有者の住所がそれぞれ数次にわたって移転している場合、最終の住所移転の日付及び変更後の住所地が同一であっても、同一申請書による一括申請はできないものとされています。
3.共有者が住所を転々としている場合
下の図では、共有者甲はA、乙はBを住所として所有権の登記をしています。この場合に、甲及び乙が同一の日付で同じ場所へと住所移転したときには、同一の申請書により一括しておこなうことができます(登研575号)。
しかし、乙はBを住所として所有権の登記をした後に住所を転々としています。このような場合には、最後の住所移転の日付が同一であっても、住所変更による登記名義人表示変更登記を一括して一件の申請ですることはできません(登研524号)。
この質疑応答では、登記をする時点で甲、乙の住所が同じ場所になっていますが、だからといって同一の申請書による一括申請ができることにならないのは当然でしょう。
4.甲単有名義と共有名義不動産の場合
甲単有名義の不動産と、甲、乙共有名義の不動産がある場合について、甲、乙の住所移転の日付及び変更後の住所地が同一であっても、同一申請書による一括申請はできないものとされています。