1.登記されている住所が異なる場合

2.共有者の住所移転の場合

3.共有者が住所を転々としている場合

4.甲単有名義と共有名義不動産の場合

1.登記されている住所が異なる場合

同一の登記所の管轄内にある、甲不動産、乙不動産を所有しているが、取得した時期が違うため異なる住所で登記されている。

この場合、甲不動産、乙不動産についての所有権登記名義人住所変更の登記を申請する際には、同一の申請書により一括しておこなうことが可能。

同一の登記所の管轄内にある甲不動産についてA住所、乙不動産についてB住所(Aより転住)で所有権の登記を受けた者がCに住所移転をしたので、甲・乙両不動産につき登記名義人の住所変更の登記を申請する場合は、同一の申請書によりすることができる(登研283号71頁)

2.共有者の住所移転の場合

甲及び乙が不動産を共有しているが、その登記簿上の住所が異なる場合において、甲及び乙が同一の日付で同じ場所へと住所移転したときには、同一の申請書により一括しておこなうことができます。

不動産の共有者甲及び乙の登記簿上の住所がそれぞれA及びBである場合において、甲及び乙が同一の日付でCへ住所移転したときには、同一申請書により申請できないとの質疑応答がある(登研455号91頁、登研524号168頁)が、登記の目的、登記原因、変更後の事項が同一であり、便宜、同一申請書による申請を認めて差し支えない(登研575号122頁)

なお、上記の質疑応答では、「同一申請書により申請できない」との質疑応答として登研455号91頁が挙げられていますが、下記のとおり「登記簿上の住所が同一である共有者A及びBが同時に同一の地に住所移転した場合」、一括申請が可能であるとしています。

登記簿上の住所が同一である共有者A及びBが同時に同一の地に住所移転した場合、A及びBの登記名義人表示変更登記は一括申請できる(登研455号91頁)

ただし、下記の質疑応答においては、共有者の住所がそれぞれ数次にわたって移転している場合、最終の住所移転の日付及び変更後の住所地が同一であっても、同一申請書による一括申請はできないものとされています。

不動産の共有者甲及び乙が、それぞれ、甲についてはA→B→D、乙がC→Dと住所移転している場合、B→DとC→Dの住所移転の日付が同一であっても、住所変更による登記名義人表示変更登記を一括して一件の申請ですることはできない(登研524号168頁)

3.共有者が住所を転々としている場合

下の図では、共有者甲はA、乙はBを住所として所有権の登記をしています。この場合に、甲及び乙が同一の日付で同じ場所へと住所移転したときには、同一の申請書により一括しておこなうことができます(登研575号)。

共有者が住所を転々としたときの住所変更登記

しかし、乙はBを住所として所有権の登記をした後に住所を転々としています。このような場合には、最後の住所移転の日付が同一であっても、住所変更による登記名義人表示変更登記を一括して一件の申請ですることはできません(登研524号)。

同一不動産の共有者甲はA、乙はBを住所として所有権の登記をした後、乙は住所を転々として最後にAに移転(いずれも住所移転の登記はしていない。)した場合において、その後、甲、乙が同一日付でAからCに住所を移転したときの登記名義人表示変更の登記は、同一の申請書によりすることができない(登記研究521号174頁)。

この質疑応答では、登記をする時点で甲、乙の住所が同じ場所になっていますが、だからといって同一の申請書による一括申請ができることにならないのは当然でしょう。

4.甲単有名義と共有名義不動産の場合

甲単有名義の不動産と、甲、乙共有名義の不動産がある場合について、甲、乙の住所移転の日付及び変更後の住所地が同一であっても、同一申請書による一括申請はできないものとされています。

甲単有名義の物件と甲、乙共有名義の物件について、甲、乙の住所移転による登記名義人の表示変更の登記を申請する場合、甲、乙の登記原因及びその日付が同一であっても、甲、乙の住所移転による登記名義人の表示変更の登記を同一申請書によって申請することはできない(登記研究519号187頁)

登記名義人住所・氏名変更登記のページへ >>